野口トルストイ親子のブログ

野口トルストイ親子によるブログ。母小梅、その次女サナこ。

〜みーんみんみんみんのみん 第3話〜 サナこの物語

「劇薬です。
眠っていた心に火を灯す。
愛がここにあります」
byネルトンマンダラ

 

サナこの物語 第3話


かわれない私が、いた

 

「いらっしゃいやせー」


声がとおる感じいカフェで
ふっと、脳内は気がぬけているセミの抜け殻の合唱

みーんみんみんみんのみん

やーめたやめやめ みんみんみんのわたし。

 


ちらっと、紹介します。
わたし、神崎サナエ


サナ子

とよばれたり
サナダムシと呼ばれていじられてきました。んご。


好きなことは


自然
モンゴル
らくだ

風鈴


ぼけっとしてお菓子とマンガと仲良くしてこれまで大半は、生きてました。
何か食べてるかねむってる
平成うまれ


ゆったりがいいわあ
運動会や部活動でも結果としてみなさん
どうぞ、になっていた。

ガツガツしたことがない。
ないわけでもないけど、
まわりがはるかに超えていた。

時に平成のゆとり、といわれます。


体力はあまりないから
無理せずチロチロ勉強して
気がついたら、やらないといやなので
やってしまう。


就職して、一年目。
自分はゆるそうに見えるので

よく、リクルート説明会の会社のPRに、使われました。


え、こんな、ゆるい感じの人でもやれるなら、
入ろうかな、と会社の先輩として、

「ユー、ちょっとやってみればいいじゃん」な担当。

土日もなく、リクルートでました。

つかれたわい!


いつ頃からか

すごい年上の方が、中途で入るころ、
なんだか、世の中わりきれないちぎれこんにゃくみたいに感じてた。

40歳くらいの人を、この会社は初めてというだけで、20代の自分が命令する。

やってたけど、
心に、ぷしゅっと、穴があいて
帰り道は、風船がしわしわ。


でも、朝はコンビニのサラダチキンでエナジー補給し出社。

会議。

ロジカルに


生産性を考えよ!


便利すぎる世の中
効率化


でも、うんちは、便利にでない。


我慢すると、おならも、体に効率的悪い。

クライアントのニーズに応えるより

腸にこたえなきゃな

って
思ってた。

いつしか

プライベートも

ボーダーなくなり

いつも、きちきち、おいこむくせがついた。

無駄をなくす

結果だす。

A Iに、とってかわられるぞ

しゃーらーっぷみー

みーんみんみんみん


7年の冬眠をへて地上にでたのに暑くて七日生きないセミの話しをきいて、泣いた。


泣いた自分がいる


いつか、泣けなくなるかもしれない自分もいる。

 

ああ、あそこ、いきたいをんだよね
あの絶景

でもな、おわらせないと
○○さん、プロジェクト、戻ってきて
やるっていったしな


やるなら、やんなきゃな


全然 関係ないことに 縛られだす
自分がいた

忙しさなんて
一番きらいなのに

身体がワルツをわすれ、マーチ
軍艦マーチを覚えた自分がいた。


大切な人とすごす時間も
大切にできなくなっていた


だれよりも気にかけてくれている人の言葉も、
拒絶していた

だって、仕事ってさ、そういうもんだから

だってさ、お給料もらうって、たいへんだよ

当たり前

身体は、
ぼろぼろのぞうきんだった


ころがってあるいたら、さぞかしフローリングは、みがかれていただろう。

心にしみが、できているのも、みないふりして。

 

第3話おわり

つづく


僕たちの失敗


春のこもれ陽の中で 君のやさしさに
うもれていたぼくは 弱虫だったんだヨネ

君と話し疲れて いつか 黙りこんだ
ストーブ代わりの電熱器 赤く燃えていた

地下のジャズ喫茶 変れないぼくたちがいた
悪い夢のように 時がなぜてゆく

ぼくがひとりになった 部屋にきみの好きな
チャーリー・パーカー 見つけたヨ
ぼくを忘れたカナ

だめになったぼくを見て
君もびっくりしただろう
あのこはまだ元気かい 昔の話だネ

春のこもれ陽の中で 君のやさしさに
うもれていたぼくは 弱虫だったんだヨネ