野口トルストイ親子のブログ

野口トルストイ親子によるブログ。母小梅、その次女サナこ。

〜果てしなく押し寄せる崩壊波のかなた 第10話〜 サナこの物語

サナこの物語 第10話


父は金物屋の時は、かなり羽振りがよかった。
あまりわからないが、商いをしていたようで、それがのちのブラックマンデーに繋がることなどは、知る由もない。
父は家はど貧乏だが、何故か海外の大学を出ている。
その前もお金を扱う仕事をしていて、もしや出自にかかわる触れてはいけない話なのかなあとは、いつかちらっと感じた。
小笠原の沖合に曳航されてきた船がのこされていて、その辺で潜ると海底に零戦や、いまだに大砲が、ぼんやーり沈んだままになっていて、パニックになる程、怖い、動揺するとは、きいたことがある。
父の家系は何者だ。
天皇陛下の写真が床の間にかざってある。
そうしないと、おこられるのだろうか。


何しろ、父の継母、と母は結婚する日にはじめてあったというのだ。


クルクル病
プノンペンに単身赴任する前から、父は糖尿がでていた。
6年ほどの海外勤務では、赤痢肺炎になっていた。
年に何回か帰ってきて、また仕事。
女三人の生活は、楽しかった。
いいきなもんでしたよ。

いても、気にならない父ですが
いなくても、どおってことない。
時々出す名前が、自分の幼稚園の頃の友達のエピソードなどで、そのついていけなさ加減に
母にいつもいい加減にしろ、と怒られていた

私も子供心に呆れていたが、母の怒りっぷりにびびり、自分の呆れ心はすっかりひっこんでいた

 

いつも、四人の時は焼肉でした。

ファミレスなどに行くと、たとえばデザートのパフェを食べるとする。

父が一口食べさせてと
最初の一口食べたがることを母は呪っていた。

 

こどもじゃあるまいし。
どうしても残したら食べるのが親だろうと思う

 

しまいには

お前、殺すぞ

それくらい、母はムッとしていたようだった

おそらくノイローゼ気味だったのだろう

 

母の父への嫌悪をぷんぷん

子供ながらに察した

 

どうにかその暗くて嫌な雰囲気をまぎらわせようとしたが、あえなく失敗

なにもできない自分


父は気のきいた話ができない

いくらいっても一人でスタスタ前をあるく

お店では大声で話す

 

世の中にはいるのかな
ほかの家族が全部よくみえそうだった

だが、その頃はまだよかったのだ
父はプノンペンにいっていて留守だし
お金もあったし
それ以上は、望むまい、という感じ

姉は家族を完全無視
父のことはカードを自由つかわせてくれる口座にみえただろう。

それって幸せなのかな


でも父たちは

わかれなかった。

 

その頃私は大学、
彼氏ができ外泊続き、母から長文メールで怒られるし、愛犬シロと二人暮らし。


姉は婚約しかかってるいい彼氏がいた、
母どうしもまとめにかかっていた
なのに!
猛烈怒り爆発
彼氏の顔が、きらいと!
彼氏は泣いていた
わたしは心が痛んだ
いまでも、その方の幸せを願う
きっと幸せになるはず。
悲しい風は草を薙ぎ倒し
新しい波の風を伝えていた



風の絵本は何色

姉は勤めた会社を半年でばっくれた
営業せず、自宅昼寝
社宅のお金だしてもらい 彼にたかり
給料泥棒かい
ついに、本能的野性の嗅覚で311前に
中国逃亡計画
わりと、311後のえもいえぬ悲しみからは遠く、案外ああみえてわ壊れやすい姉のハート
わかるきもしたよ

ああ、サナこにゃわかるさ
サナこ、人の悲しみわかるんねん

食べてあげることもあるんねん

後から知った結婚騒動
姉はばっくれ拍子に男にすがり、いきあたりの男の子と入籍
一年で離婚
まあ、不安定だわい
中国僻地で留学するようだ

仕送りでくらし
わたしは、リクルートしながら、けして
のんきではなかった。

母 これから、最大の不祥事をやらかす小梅、50歳。
パーティ好き
カラオケ
宇宙
スピリチュアルもすき
韓国ドラマもすき
遊びたりないこじれた50代
サラブライトマン発狂?

オーラソーマもえてた。
手首痛がる。

だれもだれも
だれも犬いがい
わたしのことなんてかまわないのは
だれもだれもだれも
自分のことばかりの
神崎家


なくなってしまえ、アーメン

 

28歳の地図

第9話 終わり


つづく

わたしの頭の中のシリコン・チップは、スイッチを入れたらオーバーロードちゃった

今日は誰もが学校に行きたくない日

そしてあたしが起こした事件おかげで、皆は学校に行かなくてよくなった

あたしの父親にはそのことが理解できないんだ

あたしの父親はいつも言っていた、「おとなしい娘だったんだ」と

父親には娘が(何故そんな事件を起こしたか)理由が解らない

なぜなら、初めから理由なんかないんだから

解ってもらうには、どんな理由が必要なの?

(何故そんな事件を起こしたのか)理由を教えてよ  … あたしは月曜日が嫌だからよ

理由を教えてよ  … あたしは月曜日が嫌いだからよ

理由を教えてよ  … あたしは月曜日が嫌だからよ

ただライフルを撃ちっ放したかっただけ

その日は一日中憂鬱だからよ

テレックス・マシンは綺麗に磨かれ

そして世界に向けて事件の詳細は発信される

そして母親は相当ショックだった

父親の頭も動揺していた

そして両親の考えは自分の小さな娘に向けられた

「可愛い16歳の少女」はただのお嬢様じゃないいんだと

そうじゃない、失敗を認めることは立派なことじゃないけど

両親には理由が解らなかった

なぜなら、初めから理由なんかないんだから

解ってもらうには、どんな理由づけが必要だというんだ

今や運動場は閉鎖され、外で遊ぶことは禁止された

あたしは少しの間(ライフルという)おもちゃで遊びたかっただけなの

学校は早めに切り上げられ、そしてやがて皆は思い知るでしょう

今日の授業のレッスンは、「どうしたら人は死ぬか」ということだったと

それから世間では雑音を立て始める

学校の指導者たちは事件の問題性を取り上げる、

どうしてこんな銃撃事件ができたたの?何故こんな事件を起こしたの?

彼らには理由など解りっこない

なぜなら、初めから理由なんかないんだから

解ってもらうには、どんな理由づけが必要だというんだ