〜わたしの中の小さなサナこ 第16話〜 サナこの物語

走って走って走って走ってサナこは今日も
走って走って走って走ってサナこはゆくよ

我が家でもずいぶんやりだしたら止まらないのがサナこ
おもしろいと思うと、2000ピースのジグソーパズルを2日くらいでする。
ふつうは、しないらしい。

サナこは走ると箱根駅伝一人旅になる。

うちのお父さんのことあんまり、悪くいわれたくないなあ。自閉とかさ、まわりが病むとかさ。

お父さんを人に会わせたくないとかさ

姉もとうとう、旦那さんに父の素性を明かしてないって。

それ、かわいそうすぎかも。

前に幼稚園のころ、上のお兄ちゃんがいる子がいた。受験で、どこも決まらず、とうとう卒業するまで、そのお母さんは、お兄ちゃんの学校の名前を言わなかった。

恐怖。

お兄ちゃんがかわいそうじゃないかなと思った。学校くらい認めてあげればいいのに。

お父さんが有名会社の偉い人らしいから、圧がかかったんでしょうね。
高1になったら、彼女ができて、もう結婚するする、ときかなくて、どんどん、親の望まないほうにいき、お母さんの酒量は増えていた。

こんなこわい話はいくらでもある。

お受験てなんだ。、、

お勉強したくないこと
走って走って
させられて
落ちたら、親からはゴミみたいに

けど、同じこと？

お父さんも

走って走って走って
家族にごはん、たべさせて
走って走って走って
リストラすると

あなた、なに？みたいな！

そんなバカな。
価値は変わらないはずなのに
そんな、合格や仕事で、決めるの
わたしは、いやだな

そんなじゃない世界がいい

どこかにあるかな？

ね、フェアリーゴッドマザー

あのお兄ちゃんを、お母さんが喜ぶ学校にしてください

お父さんの実力を生かせる、仕事ください

サナこは悩んだ

悩んでもしかたないこと

サナこちゃん
わるくないよ
全然、どうして、なやむの、かくすの
収入なんて、どうでもいいじゃない
偏差値なんてどうでもいいじゃない

うん

とは、いうものの、お金あると、安心ね

フェアリーゴッドマザーにたのんでごらんなさい。

そうする
わたしのさそり座アンタレスにも

真実をもとめる星 さそり
真実は、あらわなこと。、

隠すことじゃない

たすけて

つらいよ
かなしいよ

わたしは、矛盾の中にいる。

矛盾というものの、奔放な、
神秘的というほかない力。

さそり座だから。
それぞれの事実を私はいま理解する。

あまえたい
でも強くありたい
まけたくない
だけど、つよすぎるとかわいくないかな

白と黒が

ぐれーになる

曖昧さを受けいることが、大人なのなら

いまは、半大人だ。

いつか、富良野のラベンダー畑いった。
すこし遅いラベンダーは、それでも
優しく追憶のかおりがした

ここでバイオリンをひきたいな

氷点
塩狩峠

北海道でよんだ
またいきたい牧場

風がわたっていた

サナこは
サナこのラベンダー畑を
走って走って走って
自分のすきな自分になっていった

ずっとそばにいると あんなに言ったのに
今はひとり見てる夜空 はかない約束

きっとこの街なら どこかですれちがう
そんなときは笑いながら 逢えたらいいのに

もう泣かない もう負けない
想い出を越えられる 明日があるから

そっと閉じた本に 続きがあるなら
まだなんにも書かれてない ページがあるだけ

もう泣かない もう逃げない
なつかしい夢だって 終わりじゃないもの

あの星屑 あの輝き
手を伸ばしていま 心にしまおう
明日は新しい わたしがはじまる