〜答えのない答え 番外編その1〜 小梅の物語
小学生の頃、全然授業で手を上げて喋れなかった。
今おもうと、こういう性格はいくらでも変わるから周りは焦らなくていい。
言えない雰囲気を醸し出してしまっていないか、おもうだけでもいい。
正しい答えがあれば発表するが、自由な意見などいえない。家庭では自分が最年少で、自分だけが知っていることなど、価値なしと勝手に決めつけていた。
人に聞くことを
他のいいかた、わかりますか?
2年のとき、質問だ。
少し考えて
たずねる
かと思いうかんだが、まわりはだれもわからない。
そんな中
はい、とこたえられるわけがない、いじめられてはいなかったが、目立ちたくない。
いいこぶってる
自分だけわかるふりをしている
えらそう
そんなセルフトークが聞こえた7歳。
先生が黒板に
○○○○
まで、書く。
みんな、わからない。
今では医者の太田くんもわからないのか。
頭の回転早い吉山くんもわからないのか。
沈黙する教室。
怒られてるのではないが
わからないふりをする。
下をむいたり、ごまかす。
テーブルにコンピュータがあり、入力するのなら、早いのにな。
とうとう先生は
た○○る
まで書いた。
でも、何分たっても、たずねるまで、たどりつけず、
重苦しい禅のようなわからない修行はおわった。
指名してくれれば、小さな声で答えただろう。
そんな自分も、だんだん、やらかすようには、なっていきはじめた。