野口トルストイ親子のブログ

野口トルストイ親子によるブログ。母小梅、その次女サナこ。

〜海の深さ、しずけさとかなしさ 第7話〜 小梅の物語

「泣けるし、笑える、
笑えるし、泣ける
なんだろう、このおかしい悲しさ。でもでも、小海さん、頑張ってきたんですね。
つらいともいわずに。
そんな不器用な小海さん
疲れた、もう無理、といっていいのに、ご主人はきづかなかったのでしょうか?」
(20代 森高千里似のライター)

 

 

小梅の物語 第7話

 

 

あのときものすごいストレス感じてたんだな
小梅、がんばってたんだな
もうさ、十分だよ
自分を褒めてあげようよ、ね。
よくがんばった
よくやった


そのときの小梅は43から63キロまで太ってた。
脂肪率45%。

やばくね?
まさかの1.5倍だよ
1.5倍ってさすがにやばいべ
なに食べたらそんなに太んだよ
自分で自分に引いていた

昔は背も小さく、小柄で、肩幅せまくて、きゃしゃだった
顔もかわいい方だった
外見にはそれなりに自信をもっていた
ある種、アイデンティティの一つだった

それなのに
それなのに

自分で自分を認められない
お腹につくお肉
ぴったりした服は着れない
お尻もきになるからふわっとしたワンピースか、長めのトップスで体の線が出ない服を選ぶ
二の腕も見せたくない
ノースリーブなんてもってのほかだワイ!
ぷよぷよを受け入れられない自分がいた


雑誌やテレビでキラキラ細い芸能人が羨ましかった
羨ましいと思う分だけ写真が嫌いになっていった


体はぷよぷよ
足の皮はバリバリ

足の皮ってこんな固くなる?
ってくらい固かった
そしてひび割れていた
正直、カッターで削っても血も出ないし痛くもない
自分を守るかのように足の皮だけ固く分厚くなっていった
なぜだ

娘達からは
象の皮みたい
と言われた

いくらお湯でふやかそうが
たわしでこすろうが
足の皮は固くなり、バキバキにひび割れていた

向き合わなきゃいけない何かに向き合わず、
気づいてないふりをした
ほんとはこのままじゃいけないことはわかってる

でも立ち向かう自信がなかった
全てが崩れそうな気がして

迷いを打ち消すように、がむしゃらにお稽古にはげんだ
考える時間、余裕を全部消したかった


ダンスは一通り経験。
よくこんなに見つけたな、小梅。

フラメンコ
アルゼンチンタンゴ
フラダンス
ヒップホップ
ベリー
クラシック親子
インドダンス
サルサ
ジャズ

でもどれも長く続かず。

英会話やスペイン語にもはまったなぁ
スペイン語は先生がかっこよくてかわいくて、モチベーションがわりと長く続いた。
我ながら厳禁。たはは

フルート
バイオリン
フラワーアレンジメント
生け花
お茶
きつけ
料理
乗馬
プール

お稽古への現実逃避はまだまだ止まらない。
誰か止めてくれよ
もう疲れたよ

子供に命の大切さをわかってもらいたくて生き物との関わりも大事にした。

モルモット、うさぎ、にわとり
を保育園から率先して預かったり、

ちょうちょ
毛虫
やどかり
すずむし
おたまじゃくし

苦手な虫も、さわれるようになった
子どもの前では
絶対きもちわるい
などいわず
けむし、あおむし、さわった。

リス、ハムスター、たくさんたくさん育てた。
はじめは2匹だったハムちゃんはみるみるうちに増えていき、小学校のお友達に1匹ずつあげた

ある日、飼ってたハムスターを日光浴させていた
白くてかわいい子だった
いつもは日光浴の間だけベランダにカゴを出して、お部屋を掃除したらすぐ家の中に入れていた
その日は暑い夏だった
セミの声が聞こえていた
ミーンミンミンミン
ミーンミンミンミン

なぜかその日、掃除を終えてもハムスターを家の中に入れるのを忘れていた
なぜだが自分でも思い出せない
理由なんてないのかもしれない
疲れてたのかもしれないし、うっかりしていたのかもしれない

そのハムスターは、死んでいた
気付いた後、どうしたか、どう感じたか、記憶がない

必死だった

溺れそうだった

苦しかった

 

誰かに頼ればよかったのかなぁ

 

たとえば君が傷ついて
くじけそうになった時は
必ず僕がそばにいて
ささえてあげるよ そのかたを

世界中の希望のせて
この地球はまわってる

今 未来の扉をあける時
悲しみや 苦しみが
いつの日か喜びに変わるだろう
I believe in future 信じてる